営業マンという仕事

前職にて3か月強、営業職として働いていたがここまで自分に合わない職業があることに驚愕した。

職業自体も合っていなかったが、同じ部署にいる人間とも全く合っていなかった。

自分なりに営業という仕事を再考し、少しだけ整理してみた。

 

まず、営業の仕事とは何か?

答:個人や法人に自社商品を売ること。

この答えに間違いはないと思う。

過去はいかに自社の商品価値を説明するかということが営業の職責だと思っていたが、売ることができれば上司は文句を言わないので多少(どころではなかったかもしれないが)の誇大を営業職の同僚はしていた。

またさらに有体物の営業ではなく、サービス提供の営業だったので、今考えるとかなりギリギリのセールストークもしていたように思う。

当然、「思っていたのと違うので契約解除だ」と言われて悲しむ営業マンを何人も見た。しかし、この場合、いったん自社商品を売ることについては成功している。

 

では、営業にとって大切なことは何か?

答:価値観によるが基本的には売上。

人によってはクライアントとの信頼関係が1番と言っていたが、売上がない中でそれを言うと言い訳と捉えられるしかないのが営業職の悲しみではないだろうか。

私は頭のおかしい会社に勤めていたので、営業マン武勇伝はたくさん聞いた。

 

「ほぼ毎日、社長の奥さんの送迎をして信頼関係を築き契約をとった」

「津から東京まで車を運転し車中で商談、信頼関係を築き契約をとった」

「契約に印鑑を押してもらうまで帰らないと言い、契約をとった」

「俺を信じてくださいとほぼそれだけ3時間言い、契約をとった」

 

彼らにとって信頼関係とは何なのか、答えは出ないまま私は異動となった。

ちなみに、上の武勇伝で締結した契約は様々な事情から、様々な部署に迷惑をかけ、様々な人が涙を流し、すべて契約解除となった。

 

では、そこまでして何が得られるのか?

答:価値観によるが、何も得られない。

サービスは提供すれば終わりだし、有体物は納入すればメンテナンス契約でない限り基本的に終わる。

営業マンたちが必死に、クライアントとの信頼関係、普段話さない人との関わり、など形にならないものはたくさん得られる、と言うのはその事実を認めることが怖いからではないかと思っている。

別にそれは必ずしも仕事相手としなければならないことではないし、

それらを獲得することは営業の目的ではなく付随的な成果ではないかと考える。

 

おそらくもう、自社商品を売り込む人間にはならないが、

もう一度自社商品を誇大に表示し売ってこいと言われたら即座に断り辞表を出すだろう。